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2014年11月──【その2】

あかあかと もえているよう ふゆもみじ
赤々と燃へてゐるやう冬紅葉

ふゆざれや しょうぐんづかの おおぶたい
冬ざれや将軍塚の大舞台

しょうれんいん さくらもみじの ちりゆけり
青蓮院さくら紅葉の散りゆけり

しまいらし つむりてあわす しめいわい
姉妹らし瞑り手合す七五三祝

すこしずつ またすこしずつ ふゆめける
少しづつまた少しづつ冬めける

しょくようぎく ちょうしょうひんに そうれしぴ
食用菊てふ商品に添ふレシピ

  # by tanaby07 | 2014-11-21 18:28 | 俳句 | Trackback | Comments(3)

2014年11月──【その1】

うらがれや あゆみのろきを ぬかれけり
末枯や歩み鈍きを抜かれけり

めーるには きゅうかなづかい ぶんかのひ
メールには旧仮名遣文化の日

またはるる ほんじつとくいび ぶんかのひ
また晴るる本日特異日文化の日

あきさるや いっぱいいっぱい またいっぱい
秋去るや一杯一杯復一杯

かえりなん いざりっとうの もちあおぎ
帰りなんいざ立冬の望仰ぎ

うるわしき りっとうのもち てんしんに
麗しき立冬の望天心に

かかうるう ながつきのりっ とうのもち
呵呵閏長月の立冬の望

はつしぐれ ひげそるかおの おいしかな
初しぐれ髭剃る顔の老ひしかな

  # by tanaby07 | 2014-11-11 23:10 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

天目茶碗に会いに行く

“ようへんてんもくちゃわん”を見たい、と思った。会いたい、と思った。
何がきっかけであったかは、今や定かではない。
『なんでも鑑定団』なんて人気番組に影響されて、
あれこれネットサーフしたその結果だったのかも知れない。

“ようへんてんもくちゃわん”は『曜変天目茶碗』と書く。
「曜変」は「耀変」「窯変」とも記される由である。
さて『曜変天目茶碗』――インターネットでその写真を見た時に興味を覚えた。
もとより、能くは分からないのだが、
内側部分の妖しき(とでも表現するしかない)色彩に心を奪われた。
と書けば大袈裟に過ぎるか。
見に行くしかない。

Wikipediaに因れば、
 曜変天目茶碗は、現在の中国福建省建陽市で作られたとされる。
 現存するものは世界でわずか4点しかなく、そのすべてが日本にあり、
 3点が国宝、1点が重要文化財に指定されている。
とある。
そのうちの一つが大阪の藤田美術館にある。常設展示は無いが しかし今「開館
60周年特別展」開催中で、件の国宝『曜変天目茶碗』も展示されている。
等々を知る。

茶碗が「逢いに来い」と言っている以上、行くしかない。

晩秋の某日、行ってきた。
脚の不調でさっさと歩けないのをもどかしく思いながら。
茶碗は其処で待っていた。
実に素晴らしいものだった。
椅子にでも座ってじっくり眺めて居たいと思わせるものだった。
説明文の「瑠璃色の曜変と呼ばれる斑文は、まるで宇宙に浮かぶ星のように
美しい輝きを放ち、品のある華やかさの中にも落ち着きがあります」が違わぬ。
眼福と記しておく。

俳句にしようとしたが、天分無き身には叶わぬ。佳い句は作れない。
ただ、秋の終わりのある日、『曜変天目茶碗』を見に行った、というメモにはなるか、と。

以上、たいへん遅くなりましたが、先の「 Comment 」欄にお答えして。



  # by tanaby07 | 2014-11-06 12:06 | 彷徨 | Trackback | Comments(1)

2014年10月──【その3】

よっこらしょと こしおろしたる よさむかな
よっこらしょと腰おろしたる夜寒かな

そうこうや ぜつめつのきき ひともまた
霜降や絶滅の危機ヒトもまた

ひだまりを さがしていたる はこうかな
日溜りを探してゐたる跛行かな

そういえば こがらしいちごう ふきたると
さう云へば木枯らし一号吹きたると

もうはまだ まだはもうなり かきびより
もうは未だ未だはもうなり柿日和

京都市動物園にて吟行
えんじらを とおみのきりん あきのくも
園児らを遠見のキリン秋の雲
さるひとり うごかぬままの しゅうしかな
猿独り動かぬままの秋思かな
しいくいん えさをじゅんびの あきどよう
飼育員餌を準備の秋土用
ふときおの れっどぱんだや ふゆがまえ
太き尾のレッドパンダや冬構

  # by tanaby07 | 2014-11-02 08:01 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2014年10月──【その2】

ようへんの てんもくちゃわん あきくるる
曜変の天目茶碗秋暮るる

それぞれに どらまありけり すすきはら
夫々にドラマありけり芒原

せいてんか せまきたんぼに はざのあり
晴天下狭き田圃に稲架のあり

くもをおひ くもにおはるや ねこじゃらし
雲を追ひ雲に追はるやねこじやらし

あさまだき ありあけづきや あきどよう
朝まだき有明月や秋土用

  # by tanaby07 | 2014-10-21 10:31 | 俳句 | Trackback | Comments(1)

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