2017年11月──【その参】
三月見。
手許の『ホトトギス新歳時記』の「月見」のところには、
「秋の月を鑑賞することであるが、名月と十三夜の月見をいう場合が多い」
とあります。
さて三つの「月見」です。
一つめが「中秋の名月」。旧暦8月15日の「月」。
二つ目が「後の月」。旧暦9月13日の「月」。
あと、上記の歳時記にありませんが、
三つ目が「三の月」。旧暦10月10日の「月」です。
旧暦10月10日の夜を「十日夜」――とおかんやと呼んで
かつては各地で行事があったようです。今もあるのでしょうか。
そしてこの日の月を「十日夜の月」として愛でたとか。
今年、旧暦10月10日は11月27日でした。
天気が良くて月見はできたのですが、この月を「月見する」というのは、
なかなかのセンスというしかありません。
ばくだんと なるやれもんは ほんのうえ
爆弾となるや檸檬は本の上
さはんじの あいのでじゃぶゅ もみじちる
茶飯事の間のデジャヴュ紅葉散る
こはるびを くれていたるや ゆきしひと
小春日を呉れてゐたるや逝きし人
さんのつち あまどをしめる てをしばし
三の月鎧戸閉める手を暫し
めびうすの おびをたどれば さんのつき
メビウスの帯をたどれば三の月
by tanaby07 | 2017-12-03 18:58 | 俳句 | Trackback | Comments(2)