2017年3月──【その壱】


東日本大震災、今日で丁度6年の経過です。
新聞報道によると、未だ12万人余が避難生活とか。
まだまだ終わっていないのです。
合掌。

はるよぞら きとらこふんに てんもんず

春夜空キトラ古墳に天文図


はるぞらの しやにひぶんの うれいかな

春空の視野に飛蚊の憂ひかな


きにゅうせし ぞうへいきょくの とおりぬけ

記入せし造幣局の「通り抜け」


ふつごうな がたありはるの ためいきも

不都合なガタあり春の溜息も


あかもしろも うめはしだれに かぎりたる

紅も白も梅は枝垂れに限りたる





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  # by tanaby07 | 2017-03-11 15:21 | 俳句 | Trackback | Comments(2)

2017年2月──【その参】

春の気配を感じられるようになってきました。
あっという間に「春爛漫」ということになるのでしょうか。
右眼の視野に変形した円状の影。
眼球の動きに合わせてそれは動きます。
どうやら「飛蚊症」のようです。
これもまた老化現象なのでしょう。
寂しい言葉ですね。抗いようもありません。

きねんびを ねことあらそう にんじゃかな

記念日を猫と争ふ忍者かな


よほうしの はるさんばんちゅう ことばきく

予報士の春三番ちう言葉聞く


ようように はるのひかりと かぜとそら

やうやうに春の光と風と空


まちかどの まんうおっちんぐ はるのくも

街角のマンウォッチング春の雲




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  # by tanaby07 | 2017-03-02 23:15 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年2月──【その弐】

先日テレビのクイズ番組を観ていたら、
ぐずぐず言う解答者に対し、「いさぎが悪ㇼ―んだよ」と司会者。
もとより、物知りでもなく台本を読んでいるだけなのですから、
この言いようもまた台本にあるのでしょうか。
あるいはアドリブでしょうか。
“いさぎ”が“よい”なんて言葉はありはしません。
従って “いさぎ”が“わるい”なんて言葉も。
“潔い――いさぎよい” という一つの言葉です。
この誤用が頓に増えています。
言葉は生き物です。これが当たり前になっていくのでしょうか。

そうしゅんや すいへいりーべ ぼくのふね
早春や水平リーベ僕の船

くるおしく いぬはしるはら あさきはる
狂おしく犬奔る原浅き春

ぼんばいの まるでくちたる みきでなお
盆梅のまるで朽ちたる幹でなほ

ぼんばいの うろのありたる みきでなお
盆梅の空洞のありたる幹でなほ

みまかりて いくせいそうや ぼんばいてん
身罷りて幾星霜や盆梅展



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  # by tanaby07 | 2017-02-23 23:50 | 俳句 | Trackback | Comments(2)

2017年2月──【その壱】

節分になり、立春を過ぎても、まだまだ春はやって来ません。
虚弱の身ゆえ、インフルエンザに罹り、
そしてなかなかすっきりと癒えず。
低い平熱の35.4℃と微熱の36.1℃の間を行ったり来たり――。
難儀なことです。

むおんやみ はるくることの ふたしかさ
無音闇春来ることの不確かさ

せつぶんや じゅんびはじむる ちかのむし
節分や準備始むる地下の虫

そこのかど いまだまがらぬ はるをまつ
そこの角いまだ曲がらぬ春を待つ

じゃぐちより まだまだいでず はるのみず
蛇口よりまだまだ出でず春の水

はるちちと たいさついまだ よみおえず
春遅々と大冊未だ読み了へず

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  # by tanaby07 | 2017-02-14 18:15 | 俳句 | Trackback | Comments(2)

2017年1月──【その参】

外出先からの帰途、太陽は没していましたが、
見上げれば西空に細い月。
月齢は3といったところ。
そして燦然と云う他ない金星――宵の明星がまさに侍するが如く。
明るさから言えば、侍しているのは月の方と表現すべきでしょうか。
寒いけれども澄んでいて、
金星の明るさが改めて実感できました。

いまこそが しゅんらしうなぎ かんどよう
今こそが旬らしうなぎ寒土用

うしべにを ひきてかくすや こころくま
丑紅を引きて隠すや心隈

おおよぞら いてぼしひとつ のみありて
大夜空凍星ひとつのみありて

ぐっどばい とものむこうに かんおりおん
ぐつどばい友の向うに寒おりおん

ばべるのとう りんりつすふゆの だいさんかく
バベルの塔林立す冬の大三角

にしぞらに みょうじょうつきと ふゆのよい
西空に明星月と冬の宵

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  # by tanaby07 | 2017-02-01 20:01 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年1月──【その弐】

今年の「大寒」は1月20日。一年で最も寒いと言われているのがこの時節です。
実に寒い日々が続いています。列島が冷え切っています。
太平洋対岸の国では、新大統領が任に就きました。
好戦的な御仁ですね。
新しい「冷戦構造」のスタートということでしょうか。
春よ、来い――。

あたらしき ていさいにむかう としあらた
新しき体裁に向ふ年新た

せきこおう がんくびそろえて ねていたり
咳呼応雁首そろへて寝てゐたり

これしきに うきたちいるや けさのゆき
これしきに浮き立ちゐるや今朝の雪

あによりの かばんをさげて はつくかい
兄よりの鞄を提げて初句会

だいかんや そうのどきょうの こえふとく
大寒や僧の読経の声太く

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  # by tanaby07 | 2017-01-24 18:18 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年1月──【その壱】

おとなしく、静かに正月を迎えました。
初詣にも行かず屠蘇を酌むことも無く――。
7日夕刻発熱、食欲なし。4日間完全ダウン。
平熱35度半ばの身が、38度と少し、が続きました。
強烈なインフルエンザでした。どうやら峠を越えたように思います。
尤も、医者曰く「治るまで一カ月かかると思え。1週間やそこらで治る筈がない」と。

もうひとつ べつのとけいの としあくる
もう一つ別の時計の年明くる

よみぞめは でんししょせきの こんのびん
讀初は電子書籍の今野敏

おさなごの せいざのすがた わらいぞめ
幼子の正座の姿笑初

かゆかげば ななくさほどの かおりかな
粥かげば七種ほどのかほりカナ

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  # by tanaby07 | 2017-01-15 14:37 | 俳句 | Trackback | Comments(2)

2016年12月──【その参】

二七日、そして三七日。
日子の移ろいは、まさに跳ぶが如くです。

かんかげん しあんめぐらす とうじのよ
燗加減思案めぐらす冬至の夜

ごくげつの てにあるちゅういん たいやひょう
極月の手にある中陰逮夜表

ますくした ままえしゃくさる ぎしんかな
マスクしたまま会釈さる疑心かな

かわること かえることあり ふるごよみ
変はること変へることあり古暦

としのせや はやみなのかの がっしょうに
年の瀬やはや三七日の合掌に

ことのほか ひびきいりたる じょやのかね
殊の外響き入りたる除夜の鐘

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  # by tanaby07 | 2017-01-01 00:10 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2016年12月──【その壱 、そして弐】

兄、逝く。
話し足りぬまま。

ちんとうに でんわおきたる よさむかな
枕頭に電話置きたる夜寒かな

おおいなる もののてのうえ びょうがふゆ
大いなるものの掌の上病臥 冬

ゆくとしや あにはしゅうちゅう ちりょうしつ
行く年や兄は集中治療室

ときながれ とききえてゆく ひなたぼこ
時流れ時消へてゆく日向ぼこ

かぞえびや しにいそぐこと なかりしを
数へ日や死に急ぐことなかりしを

やくせきの こうなくおわんぬ いちごふゆ
薬石の効なく畢んぬ一期 冬

そうぎおう つめたきあめの ふりしきる
葬儀終ふ冷たき雨の降りしきる

ゆくとしや びおらのおとの ちんこんか
行く年やヴィオラの音の鎮魂歌

てにとりし ぽっぷないしょう にっきかう
手に取りしポップな意匠日記買ふ

てぶくろを はずしあくしゅの あたたかき
手袋を外し握手の温かき

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  # by tanaby07 | 2016-12-21 17:20 | 俳句 | Trackback | Comments(2)

2016年11月──【その参】

闘病中の兄と共に。
兄と共に。

かえること かわることあり かれはとぶ
変へること変はることあり枯葉飛ぶ

たじまじの しぐれごこちや くるまたび
但馬路の時雨心地やくるま旅

ひつあつの のこるようせん おきごたつ
筆圧の残る用箋置炬燵

びょうしょうの ひたたれぶすま たてえぼし
病床の直垂衾立烏帽子

ふゆざるる くぐもるこえに みみとおし
冬ざるるくぐもる声に耳遠し

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  # by tanaby07 | 2016-12-03 17:50 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

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