2017年12月──【その壱】

『テロリストの処方』、著者は久坂部羊。

医師の勝ち組と負け組、あるいは医療負け組――問題提起です。

作品の中で、ジャズ音盤が回され曲が流れます。

そして恩田陸の『蜜蜂と遠雷』。

国際的ピアノコンクールを描いた作品です。著者の音楽の造詣の深さに驚くばかりです。

登場人物が演奏するピアノ曲の数々。

こんな本を読んでいます。

作品の中で流れる曲たちを、YouTubeで聴きながら


あつかんや むがくなんぞは かなわぬが

熱燗や無学なんぞは叶はぬが


しあいはて きんかいのきょく ふゆぬくし

試合果て欣快の極冬ぬくし


がいそうと いうらしいしゃの はしりがき

咳嗽といふらし医者の走り書き


ひにいちど わらえればよし にっきかう

日に一度笑へれば佳し日記買ふ


こうばこを つくりてねこは ひなたぼこ

香箱を作りて猫は日向ぼこ




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  # by tanaby07 | 2017-12-15 12:43 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年11月──【その参】

三月見。

手許の『ホトトギス新歳時記』の「月見」のところには、

「秋の月を鑑賞することであるが、名月と十三夜の月見をいう場合が多い」

とあります。

さて三つの「月見」です。

一つめが「中秋の名月」。旧暦8月15日の「月」。

二つ目が「後の月」。旧暦913日の「月」。

あと、上記の歳時記にありませんが、

三つ目が「三の月」。旧暦1010日の「月」です。

旧暦1010日の夜を「十日夜」――とおかんやと呼んで

かつては各地で行事があったようです。今もあるのでしょうか。

そしてこの日の月を「十日夜の月」として愛でたとか。

今年、旧暦1010日は1127日でした。

天気が良くて月見はできたのですが、この月を「月見する」というのは、

なかなかのセンスというしかありません。


ばくだんと なるやれもんは ほんのうえ

爆弾となるや檸檬は本の上


さはんじの あいのでじゃぶゅ もみじちる

茶飯事の間のデジャヴュ紅葉散る


こはるびを くれていたるや ゆきしひと

小春日を呉れてゐたるや逝きし人


さんのつち あまどをしめる てをしばし

三の月鎧戸閉める手を暫し


めびうすの おびをたどれば さんのつき

メビウスの帯をたどれば三の月




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  # by tanaby07 | 2017-12-03 18:58 | 俳句 | Trackback | Comments(2)

2017年11月──【その弐】

読みたい本がいっぱいです。

書籍案内でタイトルに興味を覚え、その内容に雀躍して読んだのが

このサイエンス・ユーモア・サスペンス(?!)です。

題名は『架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章』。

内容の一端です、

論文の歴史 おしゃべり女 島弧西部古都市において特異的にみられる奇習“繰り返し「ぶぶ漬けいかがどす」ゲーム”は戦略的行動か? 大きな石を運ぶ男 経済学者は猫よりも合理的なのか? 閉じこめられた者たちの嘆き(ヨナやピノキオ) “借りた本に線を引くひと”とはどんなひとか ――。

痛快な読物でした。


おおくさめ たんせきすこし うごきしか

大嚔胆石少し動きしか


ろうきょうの ゆらぐたまのお ふゆびより

老境の揺らぐ玉の緒冬日和


いくつもの きろをへていま ふゆぬくし

いくつもの岐路を経て今冬ぬくし


だいこんの にえのほどよき おでんなべ

大根の煮えの程良きおでん鍋


ことごとく ほむらはつくす ひたきさい

悉くほむらは尽す火焚祭


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  # by tanaby07 | 2017-11-23 18:04 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年11月──【その壱】

原田マハの小説で、

ジャクソン・ポロックなる画家を知りました。

ピカソを超えるべく、独自の画法を、

さて、確立した、との表現が相応しいのでしょうか。

キュレーター原田マハの面目躍如の作品群を

もう少し読みたい、と。


あきふかき ごひろのふかみ どりっぴんぐ

秋深き五尋の深みドリッピング


ぽけっとの はーどぼいるど ぶんかのひ

ポケットのハードボイルド文化の日


こはるびや えーるこうかん たからかに

小春日やエール交換高らかに


めさましの こむらがえりか ふゆきたる

目さましのこむら返りか冬来る


ふっかつの しがわたりぶね いっこんふゆ

復活の滋賀渡船一献冬


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  # by tanaby07 | 2017-11-13 18:46 | Trackback | Comments(0)

2017年10月──【その参】

台風の襲来が相次いで、

雨の多いこの秋ですが、

晩秋の某日、昔の仲間と一泊旅行。

途中、神戸メリケンパークで好天の青空を眺めながら、

ゆったりとした時を過ごしました。

もう少しこの秋に身をおいていたい、

そう思わせる日々です。


なをしらぬ いろどりぼえんの えだうつり

名を知らぬ色鳥墓苑の枝移り


おもばばを きせきのしっく きっかのしょう

重馬場をキセキの疾駆菊花の賞


ゆ~ったり めりけんぱーく あきそうくう

ゆ~ったりメリケンパーク秋蒼空


はくじょうの ひととつえつき わたりあき

白杖の人と杖つき渡り秋


おとがいを うくるほおづえ くれのあき

頤を受くる頬杖暮の秋


さりながら すつるほかなし かきのへた

然り乍ら捨つるほかなし柿の蔕


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  # by tanaby07 | 2017-11-03 14:20 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年10月──【その弐】

気温がけっこう高くて、そして一気に下がった10月中旬でした。

朝7時の我が家の室温が、

7日の22.6℃から上昇を始め、

11日が26.8℃、12日が27.8℃、13日が24.1℃、14日が25.2℃、

以下、23.6℃、22.3℃、21.5℃、19.0℃、21.0

そして20日が21.4℃と続いたのでした。

老いたる身には激し過ぎる上昇・降下です。

季節は巡り、

秋土用は1020日から116日、霜降が1023日。


はじろうて いるらししろき ふようさく

恥じらうてゐるらし白き芙蓉咲く


よほうしの こわねのたかし たいふうく

予報士の声音の高し台風来


しゅうりんや ひとあめごとに いちどにど

秋霖やひと雨ごとに一度二度


おそきあき こうじげんばの たまりみず

晩き秋工事現場のたまり水


たんぺんしゅう よながのよるを はかりつつ

短篇集夜長の夜を計りつつ




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  # by tanaby07 | 2017-10-24 18:20 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年10月──【その壱】

前回、秋の深まり、と記しました。

しかし、7日8日9日1011日、と異常な高温、

まさに「暑い」としか言えぬものでした。

漸く落ち着きそうです。

と思えば秋霖の気配。

一雨一度、雨降る度に気温が下がっていきます。

体調管理に留意しなければ、と思う今日この頃です。


たおやかが つよきなりけり くさのはな

たをやかが勁きなりけり草の花


あめざんざ でばんかなわぬ こもちづき

雨ざんざ出番叶はぬ小望月


どんてんよ じゃまをするなと こもちづき

曇天よ邪魔をするなと小望月


かくるぞう みちゆくはあい つきのえん

欠くる憎満ちゆくは愛月の円


ふでがきを がぶりろしあん るーれっと

筆柿をがぶりロシアンルーレット


ばすをまつ れつのながきや あいにゆう

バスを待つ列の長きや秋の夕


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  # by tanaby07 | 2017-10-13 11:35 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年9月──【その参】

四季の移ろい――秋の深まり。

そしてまた政治の季節、選挙の季節。

「議院の総議員の4分の1以上から要求があったとき、内閣は、臨時会を召集しなければならない」

なのに、6月下旬に出された臨時国会召集の要求書を政権は黙殺。

そして、国会解散。都合の悪いことがあるのでしょうね。

独裁政権。そしてそれを糾弾する新党代表も、負けず劣らずの独断専行。

まあ、政治家の正体はそんなものなのでしょうけれど。

アパシーは駄目なのですが。


いちはやく あかきしゅちょうの まんじゅしゃげ

逸早く赤き主張の曼珠沙華


しんしゅうや しょうわはとおき じゅんきっさ

深秋や昭和は遠き純喫茶


またひとつ あきのよていの はいりたる

また一つ秋の予定の入りたる


てんたかく ばべるのとうの ちいさきえ

天高くバベルの塔のちひさき絵


きをたがえ みどりたぬきの ばかすあき

季を違え緑狸の化かす秋




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  # by tanaby07 | 2017-10-04 14:22 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年9月──【その弐】

暑い暑いと言っていたのに、

一気に秋がやって来ました。まさに一気。

初秋をとばして、はや中秋の趣きですね。

朝冷え。

暑いのは厭です。寒いのはもっと厭です。

秋日和の日々が続きますように。


あさがおの まえでうでぐみ いちねんせい

朝顔の前で腕組み一ねんせい


きょうにのり ぺいじをめくる りょうやかな

興に乗り頁を捲る良夜かな


えいけつの あでゅーだったか ながれぼし

永訣のアデューだつたか流れ星


うとましき たいふうしんろ よそうかな

疎ましき颱風進路予想かな


あきうらら たとえいいんに いくにせよ

秋うらら例へ醫院に行くにせよ




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  # by tanaby07 | 2017-09-22 17:53 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

2017年9月──【その壱】

我が日録、6月7日

「近畿、中国、四国、東海、関東甲信越の各地方が梅雨入りしたとみられると発表」、

7月19日には、

「近畿地方が関東甲信や東海、中国(山口県を除く)と共に「梅雨明け」したとみられると発表した由」、

と記しています。

当初のものは「速報値」。

9月1日、気象庁は改めて「確定値」を発表。

それによると、我が近畿地方は、

梅雨入りが「6月20日ごろ」、梅雨明けが「7月13日ごろ」、と。

梅雨入りは2週間ほど遅くなり、梅雨明けが1週間ほど早くなり――。

梅雨入りや梅雨明けの速報値の報道、果たして意味があるのでしょうか。


しゅうてんの さながらきたの ぶるーてき

秋天のさながらキタノブルー的


みのうえを はなすりゅうきん きんぎょひめ

身の上を話す琉金金魚姫


でめきんの おひれつくろう ろうさっか

出目金の尾鰭繕ふ老作家


さてどこを つるくびかぼちゃ もちあぐむ

さてどこを鶴首かぼちゃ持ち倦む


えいけつの あでゅーをなくや あきのせみ

永訣のアデューを鳴くや秋の蝉




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  # by tanaby07 | 2017-09-13 15:01 | 俳句 | Trackback | Comments(0)

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