たのしげな でんわのこわね はるちかし
愉しげな電話の声音春近し
せつぶんや ちみもうりょうの にげまどひ
節分や魑魅魍魎の逃げまどひ
つぎつぎと じょがーのぬきし あさきはる
次々とジョガーの抜きし浅き春
えぶみして なほすがりたる ごうのあり
絵踏してなほ縋りたる業のあり
たんばいや いまだともうの こえふたつ
探梅やいまだともうの声二つ
ふうぼうの かふぇてらすそと はるきざし
風防のカフェテラスそと春兆し
# by tanaby07 | 2010-02-10 10:40 | 俳句 | Trackback | Comments(0)
らびりんす しぐるるなかを かけぬけて
らびりんすしぐるる中を駆けぬけて
あかあかの おときこえしや すみながむ
赤々の音聞こえしや炭眺む
いちようも のこさずにたつ おおふゆき
一葉も残さずに立つ大冬木
くろきより ちゃといいたきや ふゆのいろ
玄きより茶と云いたきや冬の色
きょうそうで くいおぎのうて はるをまつ
狂草で句意補うて春を待つ
ぽけっとに ふるきかきつけ かわごろも
ポケットに古き書付裘
つめとうて おっくであり こもりいる
冷とうて億劫であり籠り居る
# by tanaby07 | 2010-02-01 12:01 | 俳句 | Trackback | Comments(0)
【著者:黄文雄 呉善花 石平 出版社:ビジネス社 2007年10月発行】
書名は、著者が決めるとは限らない。むしろ編集者が名付けることが多いようだが、実におどろおどろしい名前をつけたものだ。悪口としては“最大級”に違いない。
で、誰が「売国奴」か。
鼎談録である。メンバー三人はこうだ。黄文雄氏―1938年台湾生まれ、呉善花氏―1956年韓国生まれ、石平氏―1962年中国生まれ。いずれ劣らぬ知日家で、加えて、呉善花氏も石平氏も帰化している。ならば最早、“知日家”“親日家”などと表現するべきではないのかも知れない。東アジアに位置する彼らの生国、特に韓国及び中国では、知日家、まして親日家は、この本のタイトル「売国奴」と同義語となる。してみれば、鼎談参加諸氏が「売国奴」の謗りを受けながら、今在るということに他ならない。更に帰化したとなれば尋常の悪口では収まらないだろう。
経済面ではホットな関係を続ける日中、日韓そして日台ではある。しかし、夫々、固有の事情があって、反日感情が抜き難くある。その事情を彼ら自身が語る。
黄文雄氏を進行役にして、以下のテーマで展開される。
第一章国家
第二章民族
第三章歴史
第四章文化
第五章日本
第六章反日
概ね日本に対して好ましい評論を三氏は展開する。
第五章のところで黄氏が、自分は反日日本人が大嫌いだと言い、そしてふたりに、「日本人のここが嫌いだ」というのはどこか、と問う。呉氏は、韓国に対して甘いことしかいわない日本人が嫌だと言い、石氏は、中国共産党にへつらう日本人が大嫌いと続け、大江健三郎はその典型だとする。
地政学を云々するまでも無い。この国は此処に在るのであり、在り続ける。かの国Aもかの国Bもそしてかの国Cも、夫々の位置に在り、在り続ける。世界地図を眺めれば、斯程に日本に近接する国々と、相互に「反」だとか「嫌」「厭」といった形容詞での感情を持ち合い続けることの不毛を思う。第六章で語られる「最近、韓国の小学校で反日をテーマに子どもたちに絵を描かせ、ウサギ(韓国国土はその形からウサギになぞらえられているという)が日本に排泄行為をする絵が優秀作品として展示された、などというエピソードを読むと、友好的関係を築けるのは一体いつの日か。あるのかと絶望的になる。
「国」は、天変地異があれば形を変える。人為的な政治形態の変化もあり得べしだ。交戦あらば、もとより「あり続ける」ことは担保されない。そして夫々は、夫々の「都合」で殊更な「ありよう」をすることがある。
仲良き国家関係などあり得ない、と思い定めることが正解であるとするのは、余りにも寂しい。
# by tanaby07 | 2010-01-23 17:51 | 渉猟 | Trackback | Comments(2)
はなやいで ちょうちょうなんなん しんせいじん
華やいで喋々喃々新成人
わすれしは なんぞみずとり かわにとぶ
忘れしは何ぞ水鳥川に跳ぶ
かじかみて かじかみてげんりゅう たどってみし
悴みて悴みて源流たどってみし
みちわきに おおふゆきあり とおりすぐ
道脇に大冬木あり通り過ぐ
かみしろく らっかんあかし かんのうち
紙白く落款紅し寒の内
かんげつを てのひらにのせ ふっとふき
寒月を掌にのせふっと吹き
れんめんの しょうけいあせず ひみじかし
連綿の憧憬褪せず日短し
はなれゐし ここうのとりに ふゆひさす
離れゐし孤高の鳥に冬日射す
# by tanaby07 | 2010-01-20 20:46 | 俳句 | Trackback | Comments(0)
がんちょうや ようこうなべて てらしおり
元朝や陽光なべて照らしおり
これもまた そめといいたし しゅくきみつ
これもまた初めと云いたし淑気満つ
わらいぞめ ことのほかなる おおわらい
笑初ことのほかなる大笑い
かきぞめの ふではつたなき わがはいく
書初めの筆は拙き我が俳句
あつきくも はいでるたいよう かんのいり
厚き雲這い出る太陽寒の入り
ななくさや とおきむすめの ぶんもくい
七種や遠き娘の分も喰い
つめたきを いっしんにうく ふゆそうび
冷たきを一身に受く冬薔薇
# by tanaby07 | 2010-01-10 17:26 | 俳句 | Trackback | Comments(0)
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